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エンジン失火、走行中にエンスト

F55ワンで3万キロ台、エンジン不調で交差点でエンストなどを起こしたとのこと。

3気筒1200ccのエンジンです。故障診断機で故障コードを読み取ると、「混合ガスが薄い」「キャタ前ラムダセンサーの信号:断線」「エアマス計算値の妥当性」といった記録がありました。

とりあえずラムダセンサーの信号断線は過去の履歴になっていましたが、交換してみます。しかし、エンジンの失火が多く、回転のばらつきが目立ちます。アイドリング回転数は特に高くもないですが、エンジンが揺れるほど振動が大きいです。走行してみるとすぐにエンジン警告が点灯します。「混合ガスが薄い」とのこと。

どこからかエアの吸込みがあるようです。しかし、R56系もそうですが、低走行車両では「何かが外れたり亀裂が入ったり」でのエア吸込みは、よほどの整備ミスでない限り、その確率も少ないし、実際にそのようなところは見当たりません。どちらかというとインジェクターの詰まりで燃料の噴出量が少なかったりがありました。

そういえば、入庫時のテスト走行で、アクセルオン時に少し聞きなれない、変な吸気音(笛のような音)が聞こえてました。タービンに関係するもの? 他のスタッフは「そのような音は聞こえなかった」とのことで、気のせいかな? と原因を追究しておりませんでした。

ところが、テスト走行の後、まさかなーと燃料タンクのフィラーキャップを開けたところ、タンクへの吸気音が目立って聞こえたので、もしやキャニスターやベントバルブ(パージバルブ)に異常はないかな?と調べたところ、、、なんとベントバルブが開きっぱなしに、、、。

そうなると、燃料タンクからの気化ガスが制御なく吸気系に吸い込まれていた可能性があります。であれば、故障コードも納得です。そして、あの効きなれない吸気音ももしかしたらベントバルブが笛になっていたのかも、、。

交換してみたら、とてもエンジンが調子よくなりました。しかしまだ混合ガスの濃さをモニターすると「薄いから濃くしていく学習」がされていたので、ラムダセンサーの学習値リセットと走行テストを繰り返しました。そうしていくうちにモニター数値も非常によくなり、安定しました。もちろんあの笛のような音も消えました。

ちなみに、この壊れたベントバルブをF系クーパーやクーパーSに取り付けると、アイドリング回転が1000回転以上にまで上がっていきました。

エンジンの種類によって症状の出方も色々ですね。

営業日

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